ジーマのロシア、ウクライナ最新事情 『まちを歩いてみれば』 トカチェンコ・ドミトリー
自分の会社のスタッフのものを褒めるというか、「好きだ」と言ってしまうのは手前味噌な感じですが、ジーマの文章を楽しみにしています。最近のJICインフォメーションに載った記事で、カッコいいジーマが登場するので、転載抜粋ですがご覧下さい。
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JICインフォメーション第 172号より。
ジーマのロシア、ウクライナ最新事情 『まちを歩いてみれば』 トカチェンコ・ドミトリー
JICモスクワ事務所のスタッフだったジーマ君(現在はタリン大学・大学院生)が、ロシアやウクライナなどの、一味違う旅の情報をお伝えします。最新ファッションや近代的ビルが林立するモスクワ、世界遺産の町サンクト・ペテルブルグ、ウクライナ、バルト三国には新しい名所が続々と生まれています。
最近、モスクワに面白いカフェができました。
名前は「ツィフェルブラート」(Циферблат = 時計の文字盤)です。中に入ってみましょう。見た目は普通のカフェに似ています。ただし、ここで売っているのはコーヒーとか紅茶じゃなくて、時間です!
料金は1分=2ルーブル。
店内に入るとスタッフが出迎えてくれます。
「お名前はなんと言いますか」
「ジーマです」
「ジーマ様ですか。では、イワン・セルゲエビッチという時計を受け取りください」
イワン・セルゲエビッチは、ちょっとお年寄りの感じの時計ですが、かわいいです。うちの祖母の時計みたいです。スタッフは、入口の黒板に入店時間を書きます。19:30。
「ジーマさん!お飲物はいかがですか」
「何がありますか」
「コーヒー、紅茶、ココア、……」
「じゃあ、ココアにします」
数分後、カウンターでココアを受け取りました。クーキーとキャンディーを少しもらい、ココアを持ってテーブルの方へ行きます。今日、私はノートパソコンを持っていて、インターネットでメールを送りたいのです。「ツィフェルブラート」では無線のインターネットが使えます。
あっ、言い忘れましたが、ココアも、クーキーも、インターネットも無料です。私が払うのは時間代だけです。つまり、私が入った時から出る時までの時間(分)に2ルーブルをかけた料金です。
モスクワの人は、私のようにインターネットを使う人もいますが、他に何をしますでしょうか。友達と会ったり、本を読んだり、食べ物を持ち込んで食事をしたり、ビジネスの話をしたりします。店内では、タバコとアルコールは基本的にだめで、それ以外は周りの人の邪魔をしなければ何をしてもいいです。
これは結構便利だと思います。私もゆっくりしたいときカフェに行くことがありますが、モスクワ中心部にはコーヒー一杯で200ルーブルもするカフェが多いです。ツィフェルブラートでは、200ルーブルで100分間過ごすことができます。
ツィフェルブラートはチェーン店です。正式的な名前は、自由な空間・ツィフェルブラート。何故、自由な空間と名づけたのかはわかりますね。そこでは何をするのもそれぞれの人の自由だからです。
最初のツィフェルブラートは昨年モスクワで誕生しましたが、今はモスクワに3カ所、ペテルブルグに2カ所、そのほか、カザン、ニジニ・ノヴゴロド、ウクライナのキエフとオデッサに出店しています。ツィフェルブラートの成功を真似て、類似の店もでてきました。
出るときに、スタッフにイワン・セルゲエビッチを返して、「会計はいくらですか」と聞きました。
「今21:30ですから120分です。料金は240ルーブルですが、もしジーマ様が、黒板に書いてある詩人の1つの詩を暗唱したら、30分値引きしますよ!」
面白い話ですね。詩を暗唱したら値引きしてもらえるなんて、今まで体験したことがありません。そこで、ダニイル・ハルムスの詩を暗唱しました。スタッフから拍手をもらって、120-30=90分で、180ルーブルを支払いました。
モスクワなどで時間があれば、是非、ツィフェルブラートに立ち寄ってみてください!
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店を出る時に「さらり」と詩を暗唱してしまうジーマ。カッコよすぎです。
それともロシア人男性は詩の20コや30コくらいは憶えているのが普通なのでしょうか。
私もさらりと百人一首を詠めるくらいにしておこうと思います。
by jictravel | 2012-12-11 15:53 | ●● JICモスクワ便り | Trackback | Comments(1)